DVD ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 1998/10/23 ¥3,990

今さら・・・と思われるかもしれませんが、「フッドモノ」の傑作・ボーイズンザフッドのレビューです。
もう10年以上も前の作品で、昔も見たような気もするのですが、今回見たような感動を覚えた記憶はないですね(^_^;)。
やはり、見る時期やタイミング、自分の環境みたいなものによって、同じ作品に対する感想も違ってくるのだと思います。
RAPに描かれている世界についていろいろと考え、自らも家庭を持ち、子どもがいる状況でこの映画を見ると、ホントに切ない映画です。

この映画の監督が、実体験に基づいて製作したという、LA・サウス・セントラルの黒人居住地区のお話。
毎日、外では銃声とヘリコプターの音、パトカーのサイレンが鳴り響く環境。
そんな中、子ども達は仲間とともにストリートで遊び、成長するにしたがって、ドラッグや万引きなどの犯罪に手を染めていきます。

・・・って、この時点でもうため息ですね。
とっくにわかってたことでも、やはり悲しすぎます(涙)。
日本にそういう環境の場所ってあるんでしょうか?
仮にあるとしても、自らがそういう環境に飛び込んでいかない限り、普通の住宅街ではほとんどあり得ないですよね。
アメリカのギャングスタ・ラップが、まさに「リアル」なんだなと、改めて気づかされます。
「他人の不幸を見て、自分の幸福に気づく」というのは、いやらしい発想なんですけど、とりあえずは、銃やドラッグがない場所で子どもを育てられるということに、感謝せざるを得ません。

けれども、生まれてからずっと、この環境にいなくてはならない人もいるんですよね(T_T)/~~~。
ただ、この映画の中では「大人の男になるための手助けをする父親の必要性」や、「同胞を殺しあうことがいかにナンセンスであるか、知識を持つことが大事」といったメッセージがちゃんとあるので、ちょっと「救い」があります。

けど、とりあえずは「銃」じゃないかと思うんですよね。。。
あんなに簡単に人を殺せてしまうような道具を、普通に売ってるなんて、やはり信じられません。
ちょっとしたいざこざや恨みが、イコール「銃で殺してしまえ」という発想になってしまう。
しかも、それが大きなニュースにもならず、殺人を犯したグループが、平気で近くのレストランで食事してるんですよ(^_^;)。
「警察は犯人を追わないのか?」という疑問も生じてきます。

この映画からだいぶ年月が経って、少しは状況が改善されているのでしょうか。
けれども、「憎しみには憎しみで報復する」という戦争を、アメリカのリーダー自らが行なっている現状では、そう変わってないのかな。
少なくとも、マイケル・ムーア監督などが「アメリカの狂った事実」に着目し、かなり問題点に突っ込んだ作品なども作っていますし、少しずつ意識が変わっていけばいいのですが。。。
「憎しみを取り除く努力」というか、そちらの方向性に向いてくれれば・・・と願うばかりです。

最後になりましたが、ICE CUBEが準・主役で出てますね。主役のトレ役の子より魅力的でした(^^)。

meg’s ratingは4つ星☆☆☆☆。

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